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◆ナシカとの遭遇 初めてナシカを知ったのは、日の出光学が出来る数年前、5〜6倍のコンパクト双眼鏡を探したときです。 ナシカの5x20?を見つけて「この位のが一番欲しかった、見つかってよかった」と思ったのですが。よく見ると定価はすごく高いのに売価1980円。ひと目見ただけであまりのひどさに驚きました。 ヒノデA1が評判になった頃、ナシカ5x21ラジオが話題になりました。ナシカラジオの評判は、よく見える。さらに「ヒノデA1と同じもの」という噂も。しかし、やっぱりナシカ。希望価格の0が1個多い(笑)、9割引が基本売価のようです。 バラエティショップで衝動買いしてきたのでさっそく分解です。この形じゃ使う気になれない(^^; レビューするにあたりEMI様のブログ 星屑の海 から、ナシカ ラジオ付き双眼鏡 紹介!と、ナシカ ラジオ付き双眼鏡 レビュー!を参考にさせて頂きました。ありがとうございました。 ◆仕様
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◆外観 左上部の黒いのは電池カバー、単4電池1本 右上部のダイヤルはラジオの選局と音量 イヤホンジャックは右側面 スイッチは右接眼レンズの上側 |
◆分解 1.アイカップ、ストラップ金具(ネジ)、側面のネジを外します 2.カッターナイフや細いドライバーで前パネルを剥がします 3〜4.上カバーの接着を剥がして取り外します 5〜7.下カバーの接着を剥がして取り外します 8.ラジオは上カバーの裏側に接着 9〜10.どこがアルミ合金フレーム?プラじゃん!(笑) と思ったらA1のフレームと同一形状 11.フレーム、左:ナシカラジオ、右:A1。 材質、品質、加工精度は機材がなく判別できず。 (原料グレードや加工精度を下げれば原価は下がりますが、個人で判別するのは無理) 12.ピントダイヤル中央のネジを外し、対物レンズを取り外します 13.対物レンズ セル開口20.0mm、絞り15.7mm、セルやレンズ直径・焦点距離もA1と同じ 14.接眼レンズは接着なので、下カバーを破壊して取り外し 15.接眼レンズ。左:ナシカラジオ、右:A1、どちらもセル開口18.0mm 対物レンズより大きい接眼レンズってどれ? 16. 〃 絞り内径はナシカラジオ13.0mm、A1:13.5mm、位置も違います 17.ナシカラジオの接眼レンズ。A1と同じ構成、絞りが違うだけ。 18.A1の接眼レンズ。 19.プリズム 20.対物レンズ 21.接眼レンズ1 22.接眼レンズ2 並びは左から、ナシカラジオ左右とA1。 ナシカラジオは全面モノ、対物一面マルチ。ヒノデの表示方法なら全面モノコート。 見事にコーティングがばらばら! 4色プリズム(笑) 左右が同じだったのは接眼レンズ2の1枚だけ。全く品質管理していない。 ヒノデA1も、全面モノ、対物一面マルチ。 プリズム4個、レンズ左右2枚が見事に同一色。見る角度を変えてもシンクロして色が変わります。 ナシカラジオとA1は、接眼キャップからフレーム迄、レンズの構成や焦点距離も同じです。ただし、光学部品は違います。 すぐにわかる大きな違いはコーティングと絞りとカバー(外形)です。カバー内側はフレーム同様にツヤは少ないですが、ナシカラジオは白、A1は濃紺。天体望遠鏡の鏡筒内側は重要ですが双眼鏡はどうでしょう。 |
◆レンズコーティング 左から、対物レンズ・ナシカラジオ、 同・ヒノデA1、 接眼レンズ・ナシカラジオ、 同・ヒノデA1 対物レンズ:ナシカはツヤが少なく弱い青緑系ですが左右が違います。A1はツヤのあるきれいな緑色で左右同一。 接眼レンズ:ナシカは青系ですが左右が違います。A1はいろんな色が見えますが左右同一。 ◆見え方 ナシカなのに普通に見える!驚き!(笑) ヒノデA1と比べて 1.A1独特の色の濃さ(色のりの良さ)がない。 2.雨上がりの葉の艶(つや)やかさや水滴の煌(きら)びやかさをあまり感じない。 3.A1の方がしっとり落ち着いてる。 4.接眼レンズの端から覗いても余計な反射は見えない。A1は見える。 5.A1同様に長いアイレリーフと広いアイポイント。A1よりアイポイントが少し狭いかも。 6.最短合焦距離は約1m。A1は約2m。 7.持ちにくい。ピントリングが奥まっていて非常に回しにくい。 〔ひとこと〕 見え方はA1の特徴や楽しさをなくして普通の双眼鏡にした印象です。それでも実売2〜3000円の双眼鏡にしては普通によく見えます。ポロ5倍は魔法のスペック?(笑)、低倍率で粗が隠れました。 |
◆品質管理 EMI様のブログ「星屑の海」には瞳が欠けていると記されています。場所と形状から、プリズムかプリズムカバーがはみ出しているようです。私が入手したものは、瞳は欠けてないけど四角い枠が。。。写真撮り忘れた(^^; 瞳の欠け、コーティング、プリズムの種類、、、、最低限の品質管理もできない?。。。。。前歴もあることですし、無理なのかもしれませんね。 ◆まとめ 【分解前の予想】 もしヒノデA1と同じ物なら、ヒノデ不合格品の流用?ブランドロゴのある外装を取り外し、ラジオ付にして売り出したのかも? 【分解後】 ヒノデA1と同じ外注先で同じ基本設計で作ったものです。ただし、機構部品は同一でも光学部品が全く違います。最初からナシカ向けに安価に製造したものです。 【結論】 双眼鏡を買うのなら、ナシカラジオは止めることを強くおすすめします。 【考察】 ナシカは儲かるからこんな商法を続けてると思うんです。広告や修理の経費がかかってないにしても、2000〜3000円で売って儲かるなんて原価はいくらなんでしょう? ◆生産終了?(取扱店減少) この機種は難しく言えば、日の出光学という新興勢力に対する戦略的対抗機種、ざっくばらんに言えば、嫌がらせ、そんな感じでしょうか。 一番の問題はナシカラジオを作る外注先の節度のなさかな。(まさか売り上げになるなら何でもあり?) ◆個人的感想 双眼鏡に4000円も払うならアリーナやタンクローの方がいいな、まだ楽しさがあるもの。 それか、少し頑張ってA1アウトレット7800円(販売:スタークラウド)の方がいいな、ずっと楽しい。 理由 ・ナシカにしては珍しく普通によく見えるけど、ヒノデA1と見え方が違う、全然楽しくない! ・ラジオ内蔵で、無駄に大きく不細工な形状で使い難い。 ・品質もアフターサービスも不安なナシカ、安心のビクセン(5年保証)やペンタックスやヒノデ。 ・ラジオが必要なら、ソニーの小型ラジオ2580円の方がずーっとまとも。 ビクセンやペンタックスやヒノデなら自慢できますがナシカラジオなら笑いを誘えます。 ネタ、お遊び、使い捨て、、、納得して買うなら面白いかも(^^; |
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